この記事では、看護師・准看護師における
- 求人倍率から見る転職市場(人手不足の状況)
- 転職に年齢制限はあるのか?(転職者の年齢層)
- 転職するとき「看護経験」は重要視されるのか?
- 就職・転職するときに重視する条件(年齢層別)
- どの施設で働くと一番給料が高いのか?
について、まとめています。
こんな人に、読んでいただけると嬉しいです。
- 現在の職場に不満がある
- 転職したいんだけど、年齢的に無理かな?
- 看護経験が少ないから転職は難しいよね・・・
- ブランクがあると再就職は難しい?
看護師は、「人手不足、年齢制限なし、看護経験は関係なし、勤務時間を優先、給料なら訪問看護」の職種
まず、結論です。
看護師・准看護師の労働市場は、
- 求人倍率が2倍を超えていて、強烈な人手不足になっている
- 40歳以上での転職者が「全体の62.8%」であり、転職における年齢制限はほぼない
- 経験者のみを募集する施設は「全体の13.4%」のため、転職で看護経験を気にする必要なし
- 就職・転職のとき、「勤務時間」「給与」「通勤時間」を重視する人が多い
- 給与月額(総支給額の下限額)で一番高いのは、1位「訪問看護ステーション」、2位「500床以上の病院」
となっています。
それでは、1つずつ説明していきます。
看護師の求人倍率は2倍を超えていて、強烈な人手不足になっている
厚生労働省が発表している有効求人倍率は、2020年度(令和2年度)の全職種平均で「1.18倍」となっています。
看護職員においては、かなり高い「2.05倍」となっています。
ただ、これでも少しつづ人手不足が解消されてきているんですよね。
こんな感じで。
【保健師、助産師、看護師、准看護師の求人倍率の年間推移】
年度 | 求人倍率 |
2012(平成24年度) | 2.70 |
2013(平成25年度) | 2.77 |
2014(平成26年度) | 2.79 |
2015(平成27年度) | 2.68 |
2016(平成28年度) | 2.41 |
2017(平成29年度) | 2.36 |
2018(平成30年度) | 2.32 |
2019(令和元年度) | 2.34 |
2020(令和2年度) | 2.05 |
グラフにするとこんな感じです。
2020年年度に急激に、求人倍率が下がっているのは、新型コロナの影響ですね。
それでも、まだまだ強烈な人手不足の職種ですけどね・・・
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有効求人倍率については、こちらの記事で説明しています。
また、看護職員の人手不足の状況は、施設の種類によってバラツキがすごく、訪問看護ステーションでは「3.26倍」なのに対し、診療所では「0.52~0.78倍」となっています。
【看護職員における施設種類別 求人倍率 2020年度】
施設の種類 | 求人倍率 |
病院(500床以上) | 1.06 |
病院(200~499床以上) | 1.58 |
病院(20~199床以上) | 1.93 |
診療所(有床) | 0.52 |
診療所(無床) | 0.78 |
介護老人保健施設 | 1.01 |
介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム) | 1.15 |
ケアハウス、グループホーム、有料老人ホーム | 1.00 |
訪問看護ステーション | 3.26 |
学校、養成所等 | 0.50 |
こちらも、わかりやすくグラフにしてみます。
訪問看護ステーションの人手不足が、かなり深刻ですね・・・
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看護師の転職に年齢制限はない(転職者の年齢層)
看護職員の転職者(求職者)は、40代が一番多く「28.7%」を占めています。
また、40歳以上では「62.8%」となり、全体の6割以上の人が、40歳以上での転職者ということになります。
こんな感じです。
なお、年代別にまとめると、こんな感じです。
年代 | 求職者の割合 |
20代 | 14.5 |
30代 | 22.7 |
40代 | 28.7 |
50代 | 22.6 |
60代以上 | 11.5 |
「60歳以上での転職者が、11.5%」っていうのが、看護師のすごい所ですね。
ほんと、看護師って、何歳になっても転職できる職種なんですよね。
ちなみに、うちの病院でも、年齢を気にすることなく採用を行っています。
転職するとき「看護経験」は重要視されてない
看護職員を採用する施設に対する「看護師採用するとき、看護経験にこだわるか?」の回答は、
- 「経験者のみ募集」と答えた施設は、13.4%
- 「こだわらない」と答えた施設は、47.7%
という結果になってます。
このとおり。
出典:日本看護協会「令和2年度ナースセンター登録データに基づく看護職の求職・求人に関する分析報告書」
つまり、採用側のほとんどの施設は、
「看護師を採用するときに看護経験は重要視してない」
ということです。
ちなみに、「転職において看護経験は関係ない」ってことは、ブランクがあってもOKってことです。
なので、ブランクの有無もあまり気にする必要ありません。
ただ、「教育(研修)のしくみ」がしっかりしているところを、選んだほうがいいと思いますけどね。
就職・転職のとき、「勤務時間」「給与」「通勤時間」を重視する人が多い
看護師・准看護師さんは、
- 勤務時間
- 給与
- 通勤時間
を重視して、職場を選ぶ人が多いです。
このとおり。
この割合は、年代ごとに見てみると、印象が変わってきます。
こんな感じです。
出典:日本看護協会「令和2年度ナースセンター登録データに基づく看護職の求職・求人に関する分析報告書」
これだと、見づらいと思うので、年代別にグラフにしておきます。
【29歳以下】
「給与」が1位で、「休暇」が比較的高くなっています。
【30~39歳】
「勤務時間」がダントツで、「子育ての両立」がかなり高めです。
【40~49歳】
こちらも、「勤務時間」がダントツで、「給与」と「通勤時間」も高めになっています。
【50~59歳】
「勤務時間」がダントツで、「看護内容」が比較的高くなっています。
【60歳以上】
こちらも、50~59歳と同様、「勤務時間」がダントツで、「看護内容」が比較的高くなっています。
看護職員さんに限ったことではありませんが、経験年数やプライベートの状況によって、仕事(働くこと)に対する優先順位が変わるので、当然といえば当然ですよね。
ちなみに、重視する条件ごとに見てみると次のようになります。
出典:日本看護協会「令和2年度ナースセンター登録データに基づく看護職の求職・求人に関する分析報告書」
看護師は、どの施設で働くと一番給料が高いのか?
看護師といっても、働き先は様々です。
たとえば、
- 病院(急性期、回復期、慢性期、精神)
- 介護老人保健施設
- 特別養護老人ホーム
- 訪問看護
- 入退院支援看護師
- 看護学校の教師
などなど。
そして、働く施設によって、給与が大きく違ってきます。
こんな感じです。
【看護職員(常勤)における施設種類別 月額平均給与(提示額)】
(単位:円)
施設の種類 | 下限額 | 上限額 |
病院(500床以上) | 264,110 | 312,071 |
病院(200~499床以上) | 248,816 | 322,007 |
病院(20~199床以上) | 239,711 | 323,020 |
診療所(有床) | 231,571 | 313,961 |
診療所(無床) | 238,371 | 308,498 |
介護老人保健施設 | 228,494 | 307,598 |
介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム) | 217,774 | 284,342 |
ケアハウス、グループホーム、有料老人ホーム | 263,544 | 316,546 |
訪問看護ステーション | 266,857 | 342,490 |
学校、養成所等 | 258,757 | 347,620 |
1位は、訪問看護ステーションで「266,857~342,490円」となっています。
求人倍率に引き続き、平均給与でも1位です。
これも、訪問看護ステーションの人手不足が、影響してるんだと思います。
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まとめ
一般的に「転職」というと、
- 40歳超えたら、転職はかなり難しくなる
- 転職するなら、20~30代のうちに
とか言われますが、看護師・准看護師においては、全く当てはまりません。
ですので、もし、
- ここを辞めたら、雇ってくれる所があるかどうか
- 年齢的に転職は厳しいかな
- 看護経験が少ないから
- ブランクが長いんだけど
と思って、転職を躊躇しているなら、心配するだけ無駄なんで「あなたの希望にあった職場」を探してみてください。
それこそ、ブラックな職場で、我慢し続けるなんて、もったいないです。
看護師の転職に、「年齢、経験、ブランク」は関係ないので、ぜひ、動いてみてください。
ちなみに、「どうやって探したらいいの?」という人は、無料で利用できる転職エージェント( レバウェル看護 (旧:看護のお仕事) など)を使ってみてください。
キャリアアドバイザーさんが、あなたに代わって、情報収集、条件(給与)交渉、面接などの日程調整をすべてやってくれますので、「あなたの希望条件にあった職場」に出会いやすくなりますよ。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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