この記事では、病院内保育施設(院内保育室)における、
- 仕事内容と役割
- 保育士の働き方(勤務体制など)
- 給与、賞与の状況
- 保育士の求人状況
について紹介しています。
こんな人に読んでいただけると嬉しいです。
- ワークライフバランス重視で働きたい
- 子どもたちと、じっくり関わる時間がほしい(行事やイベント、制作物が多すぎる)
- 勤務時間(サービス残業など)が長く、疲れてしまった・・・
- もうちょっと、「給与の良いところ」で働きたい
院内保育室は、働きやすさを求めた「保育士」が、最終的に行き着く職場!?
院内保育室というと、
「夜勤や早番、遅番があって、すっごく大変なんでしょ!?」
というイメージがあるかもしれませんが、実は、ぜんぜんそんなことありません。(そういう所もあるとは思いますが・・・)
事実、
- 僕の妻(保育士・幼稚園教諭です)
- 妻の保育士仲間3名(院内保育の勤務経験者)
に話を聞いたところ、
「最終的には、みんな院内保育室で働きたい!!ってなると思う」
という意見でした。
もちろん、向き不向きはあると思いますが、院内保育室は、それだけ魅力的な職場だということです。
ただ、夜勤などのイメージが先行してしまうため、その働き方が知られていないだけなんだと思います。
院内保育室は、行事やイベントが少なく、シフト制勤務のため、ほぼ定時で帰れる
まずは、「院内保育室の特徴について」です。
- 院内保育室は、病院などで勤務している職員(医師、看護師など)の子どもを預かる施設
- 行事やイベントが少なく、シフト制勤務のため、ほぼ定時で帰れる
- 給与(賞与)は、比較的高く、福利厚生も充実
- 保育士の人材不足は、かなり深刻で「超売り手市場」となっている
それでは、1つずつ説明していきます。
院内保育室は、病院などで勤務している職員(医師、看護師など)の子どもを預かる施設
院内保育室とは、病院などに併設(病院内や近隣に設置)される施設で、その病院などで働く医療従事者(医師、看護職員、セラピスト、介護職員など)のための福利厚生施設です。
つまり、医療従事者の
「子育てを理由に仕事を辞めなければならない」
をなくし、
「子育てを優先しながら、働てもらう」
ための施設ということです。
そのため、一般の保育園と違い、比較的少人数の子どもを預かるため、子どもたちと関わる時間が多く取れます。
また、子どもが熱を出したり、ケガをしたりといった場合にも、保護者が同じ建物内や隣接する場所いるため、保育士さんからすれば、もしものときの安心感がかなり違います。(小児科を標榜しているところなら、なおも安心です)
安心して働けるという意味では、院内保育室は、非常に働きやすい職場だと言えます。
行事やイベントが少なく、シフト制勤務のため、ほぼ定時で帰れる
病院などで働く、医師や看護師は、24時間365日、常に稼働しています。
そのため、勤務は、日勤、夜勤、早番、遅番などのシフト制になっています。
もちろん、院内保育室もそのシフト勤務にあわせて、子どもたちを預かりますので、シフト制勤務の所が多くなっています。
シフト制と聞くと、
「不規則で大変そう・・・」
と感じるかもしれませんが、実際は、その逆の場合が多いです。
というのも、保育士さんは、サービス残業が多く、家に持ち帰って、仕事をすることが結構あたりまえです。(僕の妻も、当時、すごかったです・・・)
でも、シフト制で勤務することで、次の保育士さんへ業務を引き継げるため、残業がほぼなく、時間でキッチリあがることができます。
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また、そもそも、小さな子どもがいる職員(看護師や介護士など)さんで、夜勤をやる人って少ないので、夜間の預かりは、全体で月数日ってところが多いです。
ちなみに、うちの場合、夜勤については希望性で行っていますので、家庭の事情などで夜勤ができない人は、日勤だけで働いていただいています。
もちろん、非常勤(パート)での勤務も可能なので、柔軟な勤務が可能です。
なので、「すべての院内保育室 = 夜勤があって大変」というイメージは捨ててください。(笑)
給与(賞与)は、比較的高く、福利厚生も充実
一般的に、院内保育室の給与は、私立保育園よりも高いとされています。
これは、
- 院内保育室は、保育事業自体で利益を出す必要がない
- 病院の利益と一体的に考えられる(病院の給与規定にあわせて給与などを支給)
- あくまで、職員の福利厚生の1つという位置づけ
という理由によるものです。
事実、「院内保育室へ転職し、給与が高くなった!」という話を、保育士さんから聞いたことがあります。
特に、賞与の支給が魅力的とのこと。
院内保育室の場合、賞与も病院の規定にあわせて支給されるため、「年2回(年間3.5~4ヶ月分)」のところが多いのですが、保育士さんにとっては、これが結構珍しいみたいなのです。(僕が聞いた限りの話です)
また、夜勤などがあるため、各種手当により、総支給額が高くなるというのもその理由の1つだと思います。
さらに言うと、病院の規模にもよりますが、
- 職員旅行や忘年会の開催
- 医療費や予防接種の無償化
- 結婚や出産の祝い金の支給
などの福利厚生が充実しているところも、処遇という意味では嬉しいポイントです。
ちなみに、厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」によると、保育士さんの平均給与は、次のようになっています。
転職先を探すときや、給与などの条件交渉の1つの目安にしてみてください。
【保育士の平均給与額(経験年齢、男女別)】
(単位:円)
経験年数 | 男 | ||
所定内賃金 | 年間賞与 | 年収 | |
1~4年 | 217,700 | 542,200 | 3,154,600 |
5~9年 | 261,900 | 860,300 | 4,003,100 |
10~14年 | 288,300 | 963,200 | 4,422,800 |
15年以上 | 333,500 | 1,217,000 | 5,219,000 |
全体 | 250,800 | 703,700 | 3,713,300 |
経験年数 | 女 | ||
所定内賃金 | 年間賞与 | 年収 | |
1~4年 | 207,600 | 577,000 | 3,068,200 |
5~9年 | 221,700 | 700,600 | 3,361,000 |
10~14年 | 235,200 | 743,200 | 3,565,600 |
15年以上 | 266,500 | 959,200 | 4,157,200 |
全体 | 231,500 | 707,900 | 3,485,900 |
また、年収は「所定内賃金×12ヶ月+年間賞与」にて算出しています。
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「もっと詳しく知りたい~」という人は、こちらの記事を。
保育士の人材不足は、かなり深刻で「超売り手市場」となっている
待機児童問題や幼児教育・保育の無償化の影響もあってか、保育士さんの人材不足は、年々、深刻化しています。
このとおり。
平成31年4月の有効求人倍率は「2.52倍」で、平成30年度のピークである平成31年1月では「3.64倍」となっています。
全職種(全産業)の平均が「1.52倍」ですので、保育人材がどれだけ足りないかがわかると思います。
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なお、保育士さんの人材不足は、地域によってかなりバラツキがあります。
あなたの地域がどんな状況なのか、次の表でチェックしてみてください。(数字が高いほど、人材不足が深刻ということになります)
【保育士の都道府県別有効求人倍率】
出典:厚生労働省「職業安定業務統計」
やっぱり、都心部の方が、有効求人倍率が高い傾向にありますね。
東京都なんて、平成31年4月で「4.42倍」ですからね・・・
まとめ
院内保育室って、病院側からすれば、すっごく重要な役割を担っていて、採用困難職種である、看護師や介護士などの医療・介護従事者を採用するための大きな要素です。
なので、病院からすれば、
「保育士がいない = 看護師などの子どもを預かれない = 看護師などの勤務状況や採用に影響が出る」
ってことなので、保育士さんの確保も、結構、必死です。(笑)
もし、あなたが院内保育に興味を持っているなら、ぜひ、色々な事業所(病院など)をチェックしてみてください。
一般的に、院内保育室の求人は少ないと言われますが、院内保育室を設置している病院には、都道府県から運営費の補助金が給付されるため、設置しているところが増えていますので。
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ちなみに、転職の際には、必ず、再就職手当の受給を検討しましょう。
再就職手当は、ハローワークから支給される手当で、
- 2~3ヶ月も休むつもりがない
- すぐに次の職場を探す予定
- ハローワークで仕事を探す気がない(人材紹介サービスを使うなど)
という人でも、支給を受けられる場合があります。
また、再就職手当は、以前に比べ、給付率が上がったため、結構な金額になってます。
もらわないのはもったいないです。
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最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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